レソトでのハプニング

もう20年近く前にレソトに行った時の話。
レソトは「天空の王国」「アフリカのスイス」と呼ばれ標高も高い。
ヨハネスブルグからレソトの首都マセルに向かった機内はソト族の陽気な会話で賑やかだったが、マセルの天候が悪く引き返すことになった。小さいプロペラ機は揺れも酷く椅子にしがみつくしかなかった。酔いそうになってる客もいる一方で、ソト族の団体はジェットコースターに乗った様に大賑わいではしゃいでた。
ヨハネスブルグに戻って、先ほどの団体と一緒になって航空会社に掛け合ったが、「次の便に乗れる」とか「お金が戻る」とか日本の様にサービスは良くない。航空会社のスタッフは取り付く島もなく、結果的になす術もなくお昼にはマセルに着く予定だったが既に夜になっていた。この後どうするかを考えていたら、さっきの団体が、「車をチャーターしたのでマセルに行くけど、お前も乗るか」と誘ってくれた。ソト族はツワナ族と近く、言葉も似ている。ツワナ語を話す日本人を珍しく思ったのかもしれない。
ソト族の団体はヨハネスでコンサートに出演していたらしく、ジャンベなどの楽器をたくさん持っていた。
ヨハネスを出ると、ソウェトに立ち寄って軽く食事をした。ソウェトは危険な場所と聞いていたが、特に怖い思いをすることもなく明け方にマセルに到着した。
思いもよらぬハプニングで正直焦ったけどソト族の優しさに助けられて、かけがえのない思い出となった旅でした。

マセル行きのプロペラ機
ヨハネスでなす術なく待ちぼうけ
車の中でも笛を吹いて陽気なおばちゃん
ソウェトにて

レソトのシンボルでもあるバソトハットの由来となったキロアン山。
国旗にも描かれている。

おまけ
日本政府の無償資金プロジェクトで
レソトに小学校を建設。
三井住友建設の名前が出てる。
あまり知られることもなく、地球の反対側の小さな国の片田舎で、こういう取組みがされているのは日本人として嬉しい。